法務省|法務大臣閣議後記者会見の概要【令和6年1月16日(火)】
今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
続いて、私から1件御報告を申し上げたいと思います。(いわゆる)オウム真理教に対する観察処分の期間の更新であります。
公安審査委員会が、公安調査庁長官による期間更新請求を受けて厳正かつ慎重な審査を行った結果、1月12日(金)、同処分の3年間の期間更新を行う旨決定しました。
麻原彰晃こと松本智津夫の絶対的な影響力の下で、なお現在でも無差別大量殺人行為に及ぶ危険性をこの団体が有しているという背景があります。
また、(いわゆる地下鉄サリン事件を始めとする一連のテロ事件から)30年近く経過しましたけれども、被害者、その御家族・御遺族の苦しみが消えることはなく、また、団体施設の周辺住民の方々も大変大きな不安の中で生活することを余儀なくされているという点もあります。
こうした点を踏まえて、公安調査庁において、引き続き観察処分を適正かつ厳格に実施し、実態把握に努めるとともに、(観察処分の実施)結果の地方公共団体への提供も行いまして、国民の皆様方の不安感の解消・緩和に寄与してまいりたいと考えております。
ウクライナ避難民への支援に関する質疑について
【記者】
ウクライナ避難民への支援に関してお尋ねします。2月でロシアによるウクライナ侵攻から2年となり、非常に長期化しています。息の長い支援をするためにウクライナから避難された方も念頭に、昨年12月1日から補完的保護対象者の申請受付を開始されたかと存じますけれども、申請の現状に関してお聞かせください。また、申請を促すための広報であったり、その他の支援に関して、大臣のお考えがあればお聞かせください。
【大臣】
ウクライナへの侵攻から間もなく2年となります。そうした状況の下で、昨年12月1日から補完的保護対象者の認定制度がスタートしておりまして、順次申請を受け付けているところであります。申請を受け付けて、そして補完的保護対象者として認定された事例も既にあります。
重要なのは、やはり広報です。現状、入管庁のホームページで案内をしておりまして、同ページの自動翻訳機能によって、100言語以上での閲覧が可能になっております。
また、お尋ねのウクライナ避難民に対する支援でありますけれども、補完的保護対象者の認定制度ができたことに伴って、この制度を適切に運用することによって、ウクライナ避難民に対する現在の支援は、補完的保護対象者に対する支援に移行していくというふうに考えております。具体的には、補完的保護対象者に対しては、572時限の日本語教育や120時限の生活ガイダンスを受講できる6か月間の定住支援プログラムを行うなど、日本での自立を促進するための支援を行っていこうということであります。
この認定制度を最大限有効に活用して、ウクライナ避難民の方々に対しても、確実に、迅速に、安定的に保護ができるように取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
能登半島地震の被災地域に在留する外国人への支援に関する質疑について
【記者】
能登半島地震について伺います。(地震発生から)2週間が過ぎましたが、外国人の方の支援はどうなっているのかというところを伺いたいんですけれども、併せて、能登半島のほうにいらっしゃる外国人の方がどのぐらいいるのか、人数も分かれば教えてください。
【大臣】
まず、(被災地のうち、例えば、)石川県における在留外国人数でありますけれども、昨年(令和5年)6月末の数字ですが、石川県における全在留外国人は、1万8,302人です。うち、技能実習生が4,637名。特定技能の方は2,019名、留学されている方が2,226名いらっしゃいます。こういった方々が非常に困難な状況に置かれているというのは、まさにそのとおりでありまして、何とか救いの手を差し伸べたいということで、法務省も最大限の努力をしてまいりましたし、また、これからも努力してまいりたいと思っております。
まず第一に、入管庁のSNSを活用して、外国人向けの災害情報のリンクやアプリ等の関連情報を見ていただく(ために)、発信する。こういうのを使ってください、利用してください、という形で、我々のSNSを活用して紹介しています。また、入管庁のホームページにおける外国人生活支援ポータルサイトでも関連情報を掲載しているところであります。
また、地方公共団体が必要とする場合に入管庁が提供する通訳支援事業ですよね。これは19言語ということでありますけれども、この通訳支援事業を事前の登録手続なしで地方自治体に利用してもらえるような仕組みにしました。事前の地方公共団体の登録手続をすることなく通訳支援事業を活用できるという措置をとっております。
また、一番重要性が高いのは次の2項目かもしれませんけれども、在留資格に関する手続とか申請が全くできなくなるわけですよね。身動きが取れなくなるということを踏まえて、特定非常災害特別措置法に基づき、災害救助法が適用される市町村の区域にお住まいの外国人の方等の在留期間等を本年6月30日まで一律に延長するという措置をとることとしました。まずは半年間、今の状態を続けていただいて大丈夫ですよという措置を、まずとることにしました。
それから、今の状況で技能実習生、あるいは特定技能の方々も含め、限られた業種、限られた地域の中では働けないという問題が起こってまいりますので、(働くための在留資格を持ちながら、働くことができない外国人の方については、)1日8時間以内の資格外活動許可を認める措置をとることとしました。昨日から、これは開始しています。
技能実習生あるいは特定技能の皆さん、留学生の方々(※)、資格外活動許可を取っていただければ、地域を越えて、業種を越えて働けるという状況を確保することができるわけであります。こういった点をしっかりと柱としながら取り組んでいきたいと思います。
※本措置は留学生の方々を対象とするものではありません(従前より、資格外活動許可を得て一定時間働くことは可能です。)。
今後また様々な問題が出てくるかもしれませんけれど、外国人の方々の生活しづらさ、日本人であっても大変な状況ですから、ましてや言葉、手続、様々な限られた制約の中でいらっしゃる(石川県における在留外国人約)1万8,000人、(そして)石川県だけではなく、外国人の方々の状況をよく想像しながら対応していきたいと思います。
(以上)
出典:法務省 Webサイト
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00478.html